体幹部の構造について

研修担当者
おはよう!今日は体幹部(たいかんぶ)の骨格筋と脊柱の構造について研修をすすめていきたいと思う。前回と同様、宿題で出したプリントがベースになるからプリントを参照しながらやるぞ。
いいかい?

研修生A
はい!

研修生B
はい!

研修担当者
ところでAくん体調の方は良くなったのかい?

研修生A
はい、おかげさまですっかり良くなりました。

研修担当者
そうか、それはよかった。
この仕事は身体が資本だから、体調管理には十分気をつけるんだよ。
インストラクターが病気だったら変だろ?(み、耳が痛い...編集長)
B子ちゃんは、前回初めての研修だったけど、どうだった?

研修生B
あ、はい。
とても解りやすく、勉強になりました。

研修担当者
そうか、ありがとね。
よし、それじゃあ今日も張り切って勉強をしよう!

研修生A
はい!

研修生B
はい!

研修担当者
まず、今日は体幹部の構造から話しをすすめていきたいと思う。
それじゃいきなり質問するよ。
体幹部では具体的にどんな動作があるか分かるかいAくん?

研修生A
えーっと...屈曲(くっきょく)、伸展(しんてん)、か、回旋(かいせん)、側屈(そっくつ)ですか?

研修担当者
おー、すごい、良く勉強しているようだね。
あってるんだから、もっと自信を持って答えるようにね。

研修生A
はい!

研修担当者
そうだね。
今、Aくんがいったとおり、体幹部の動きは屈曲、伸展、回旋、側屈があるんだ。
当然、これらの運動動作をするときには様々な筋肉が作用しているからね。(図1~図3参照)

image046
研修担当者
まず屈曲からだ。
体幹部の屈曲は前屈(ぜんくつ)ともいうよね。
屈曲の動きを司る筋肉は、腹直筋(ふくちょくきん)、外腹斜筋(がいふくしゃきん)、内腹斜筋(ないふくしゃきん)、などがあるんだ。(図4参照)
ここで気をつけてほしいのが立位での屈曲動作、つまり立ったままおじぎをするような動きは腹直筋はほとんど関与していないという点だ。
なぜなら立位での屈曲動作は腹直筋によってもたらされるものではなく、重力によってもたらされるからだ。
このとき腹直筋の拮抗筋である脊柱起立筋が伸張性収縮(エクセントリック・コントラクション)をしているから上半身をゆっくり屈曲させることができるんだ。
このように身体の動きを考えるときに、筋肉の動きを考えるとともに、重力も考慮しなければならないからね。
ちなみに腹直筋は0°の姿勢から25°の屈曲及び30°の伸展動作から0°への屈曲動作に関与しているということも覚えておいてくれ。
つまり腹筋運動を行うときに肘が膝に触れるほどの大きな動き(前方への25°を超えるということ)には違う筋肉を主働筋として使っているからね。
まぁ、この辺については、股関節の仕組みを勉強するときにもっと詳しくやるから今は頭の隅っこの方に置いておくだけでいいからね。

image047 (図4)腹部の筋肉

研修担当者
よし、お次は伸展動作だ。
これは後屈ともいうよ。
伸展は屈曲された上半身をもとの0°まで起こしあげることをいうんだ。
0°を超えて、更に後に反らすことを過伸展(かしんてん)、ハイパー・エクステンションっていうからね。
伸展を司る筋肉は脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、またの名を固有背筋(こゆうはいきん)だ。(図5参照)
脊柱起立筋は総称した呼び名なんだ。
最長筋(さいちょうきん)、棘間筋(きょくかんきん)、腸肋筋(ちょうろくきん)などの筋肉が集まって、脊柱起立筋が形作られているんだ。
この辺を間違って覚えている人が多いみたいだけどね。
正しく理解しておこう。
立位での伸展動作は屈曲の全く逆と思ってくれればいい。
立位での伸展動作は脊柱起立筋によってもたらされるのではなく、重力によってもたらされるんだ。
このとき脊柱起立筋の拮抗筋である腹直筋が伸張性収縮(エクセントリック・コントラクション)活動をしているから上半身をゆっくり伸展させることができるんだ。
ねっ?屈曲と全く逆でしょ?

image048 (図5)腰部の筋肉

研修担当者
はい、お次は回旋(図2)をやっつけておこう。
B子ちゃん、体幹部の回旋動作を司っている筋肉はどこか分かるかい?

研修生B
はい、外腹斜筋と内腹斜筋です。

研修担当者
そう、そのとおりだね。
しかし、気をつけてほしいのは右側への回旋動作なのか、左側への回旋なのかによって微妙に筋肉の使い方が違ってくるんだ。
B子ちゃん、この違い分かる?

研修生B
はい、体幹部の右回旋のときは左側の外腹斜筋と右側の内腹斜筋が使われて、左回旋のときは右側の外腹斜筋と左側の内腹斜筋が使われています。

研修担当者
パーフェクト!
まったくその通りだね。

研修生A
・・・・・・・・・・。

研修担当者
では、ついでにもう1つ答えてもらおうかな?
ではなぜ、そうなるんだ?

研修生B
筋肉が収縮、伸展をするといった動作は筋肉の筋線維の流れにそっておこるからです。
例えば、右側への回旋動作というのは左側の外腹斜筋と右側の内腹斜筋の流れに沿った動きだといえるからです。

研修担当者
グレート!すごい!良く勉強しているね!

研修生A
・・・・・・・・・・。

研修担当者
あと、回旋について一言二言いっておくぞ。
単なる左右への回旋動作だけだったら完全には外内腹斜筋は最大収縮と最大伸張はしていないんだ。
もし、外内腹斜筋を最大収縮、最大伸張したいのであれば腹筋動作のときのでいえば、斜めに捻り動作を加える必要があるんだ。
なぜって?それは腹斜筋は字のごとく筋線維の流れが斜めに走っている筋肉であって、真横に走っている筋肉じゃないからだよね。
そう、それとさっきからいっている重力の存在も忘れないようにね。
側屈(図3)は文字通り身体を真横に傾ける動きのことだ。
屈曲、伸展に関与する筋肉(腹直筋、脊柱起立筋)の片側が活動して側屈することができるんだ。
また、骨盤と肋骨の間にある腰方形筋(ようほうけいきん)という筋肉の存在も見逃せないよね。
この側屈も立位においては重力によって起こり、側屈のスピードや側屈した姿勢を維持するために反対側の骨格筋が伸張性収縮していることも忘れてはいけないよ。
どう?
ここまでいっきに話しをしてきたけど解ったかい?

研修生A
関節の動きを考えるときに使用される筋肉だけじゃなく、重力を考慮にいれなければならないっていうのは、体幹部のことだけじゃなく全ての関節の動きについていえることなんですか?

研修担当者
そう、その通りだね。
前回、肩関節のところで水平内転ってやったのを覚えているだろ?
上腕を水平に内転させる筋肉は大胸筋、三角筋前部だけど、常に上腕を水平状態に保つには常に三角筋の中部、棘上筋が活動をしているってことを忘れてはいけない。
また、ここからが少しややこしいんだけど、立位においての水平方向の内転動作は大胸筋や三角筋前部は重力の影響を受けないので何かしらの方法で抵抗を加えない限り大きな力を発揮することができないんだ。
しかし、三角筋中部、棘上筋は重力の影響を受けるため、常に大きな力を発揮していなければならないんだ。
ややこしいけど、すごく大切なところだからしっかりと理解しておいてくれ。

研修生A
はい!

研修生B
はい!

研修担当者
もうすぐで今日の研修が終わるから最後まで頑張るんだぞ!

研修生A
はい!

研修生B
はい!

研修担当者
脊柱は椎骨と呼ばれる円柱状の骨が積み重なってできているんだ。
上から、頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎だね。(図6参照)
成人の脊柱は真横から見ると湾曲しているのが分かるんだ。
頸椎は前湾と呼ばれる前方向の凸で、胸椎は後湾と呼ばれる後方向の凸、腰椎は前湾、仙椎、尾椎は後湾しているからね。
さっきもいったように元々脊柱の椎骨という一個一個、独立した骨が寄せ集まってできているんだ。
では、どうして柱上の形を作り上げることができるのかというと5つの靭帯の存在があるからだよ。
脊柱の前側(腹側)には前縦靭帯、後側(背側)には後縦靭帯、黄色靭帯、棘間靭帯(きょくかんじんたい)、棘上靭帯(きょくじょうじんたい)があるんだ。

image049 (図6)脊柱の構造

研修担当者
他にも脊柱を作り出している構造はあるんだけど今日はこれぐらいにしておこう!お疲れさま!

a

体幹部の主な動きを答えよ。

屈曲、伸展、回旋、側屈

腹直筋は0°の姿勢から(   )°の屈曲及び、(   )°の伸展から0°への屈曲動作に関与している。

25、30

身体を捻る動作に関与する筋肉は外内腹斜筋だが、右に捻るときには(  )側の外腹斜筋と(  )側の内腹斜筋が使用される。

左、右

脊柱起立筋の中の代表的な筋は何か?(3つ)

最長筋、棘間筋、腸肋筋

立位での屈曲動作は(        )によってもたらされる。また、その時の収縮様式は(     )である。

脊柱起立筋、伸張性収縮(エクセントリック・コントラクション)

側屈に関与している筋肉を述べよ。(但し、腹直筋、脊柱起立筋、外内腹斜筋以外で)

腰方形筋

脊柱を作り出している靭帯を述べよ。(5つ)

前縦靭帯、後縦靭帯、黄色靭帯、棘間靭帯、棘上靭帯

脊柱は(      )と呼ばれる円柱状の骨が積み重なって構成されている。

椎骨

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運営者情報

当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。 フィットネスクラブ、体育施設、大学などでトレーナーとして18年間活動してましたが、約10年前にカイロプラクターとして第二の人生を歩み出しました。 そして2016年4月に第三の人生を歩み出しました。
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