筋肉の仕組みについて 1

研修担当者
今回は機能解剖学という分野を学んでいくぞ。
まぁ、簡単にいうと『動きを生み出す身体の仕組みを学ぶ分野』と思ってくれればいいよ。

研修生
むずかしそうですね。

研修担当者
聞きなれない用語がたくさん出てきて、最初はたいへんかもしれないけど慣れてきたらすごくおもしろい分野だよ。
よし、今日も気合をいれて頑張って行こう。

研修生
はい。

研修担当者
最初は筋肉について話を進めていくぞ。
体内にある筋肉は大きく3つに分類できるんだ。
1つ目は腸や胃などを形成している平滑筋(へいかつきん)、2つ目は心臓の筋肉を形成している心筋(しんきん)、3つ目は骨に繋がって、身体を動かす役割を果たしている骨格筋(こっかくきん)だ。
この骨格筋のことを一般に筋肉と呼んでいるんだ。
そして、これら3種類の筋肉は見た目やその働きによって、更に分類することができるんだ。
骨格筋と心筋は顕微鏡で観察したとき横縞状の紋様が見えるんだ。
そのことから骨格筋と心筋は横紋筋(おうもんきん)と呼ぶことがあるんだ。
これは見た目による分類だね。
次は働きによる分類を説明するよ。
前回、運動生理学で『不随意』という用語が出てきたのは覚えているよね?
自律神経に支配されていて、自分の意志では動かすことはできない筋肉を不随意筋(ふずいいきん)といい、逆に自分の意志で自由に動かせる筋肉を随意筋(ずいいきん)というんだ。
骨格筋は随意筋だからね。

研修生
骨格筋、全てが自分の意志で動かすことができるんですか?

研修担当者
基本的には自由に動かせるよ。
ただ、ある程度、動かせるようになるには慣れが必要だけどね。
例えば、テレビなんかでボディビルダーが胸の筋肉をピクピク動かしているのを見たことがあるだろう?
でもあれって日頃、胸の筋肉を使っていない人や、筋肉を意識的に動かそうとしたことがない人にとってはなかなか難しいことなんだよ

研修生
意識して筋肉を動かせることができれば自分がトレーニングをする時なんかに役立ちそうですね?

研修担当者
そうだね。
スポーツの動作を習得するときやウエイト・トレーニングをするときにも、筋肉を意識して動かせるというのはとても有利と言えるかもね。
よし、今度は骨格筋の分類について話を進めていくぞ。
いいかい?

研修生
はい。
今のところは大丈夫です。

研修担当者
骨格筋(以下、筋肉)は更にその形や働きによって分類できるんだ。
大きく2つに大別できるぞ。
① 形や筋肉の付着の仕方による分類
② 働き方の役割による分類
では、①の『形や筋肉の付着の仕方による分類』から説明していくぞ。
絵で説明するからノートに写してくれ。
まず、形による分類からだ。
筋肉はその形によって紡錘状筋(ぼうすいじょうきん)、平行線維筋(へいこうせんいきん)、方形筋(ほうけいきん)、羽状筋(うじょうきん)などに分類できるんだ。
紡錘状筋はその両端が細く、中央部分が太くなっている筋肉のことをいうよ。
筋肉というと一般的にこのイメージが強いよね。
紡錘状筋の代表的な筋肉は上腕二頭筋だ。
平行線維筋は両端と中央部分の太さがほぼ同じ筋肉のことだ。
でも、平行線維筋は紡錘状筋と同じ分類として表されることがあるけどね。
平行線維筋の代表は縫工筋(ほうこうきん)だね。
次は方形筋だ。
これは板状筋(ばんじょうきん)と呼ばれることもある、板状の筋肉のことだ。
代表的な筋肉は僧帽筋(そうぼうきん)だからね。
最後に羽状筋だ。
羽状筋は腱に対して筋線維が斜めに走っている筋肉だ。
ちょうど鳥の羽のような形に見えることからそう呼ばれるようになったんだ。
羽状筋には2種類あり、腱の両側に筋肉が斜めに走っている方を単に羽状筋、腱の片方だけに筋線維が斜めに走っているのを半羽状筋(はんうじょうきん)というからね。
羽状筋の代表は大腿直筋(だいたいちょっきん)、半羽状筋の代表は後脛骨筋だよ。(図1参照)

image039 (図1)筋肉の種類

研修担当者
あと形による分類として、筋肉のはじからはじまでの関節の数による分類がある。
具体的に説明していくぞ。
筋肉は1つの関節あるいは複数の関節をまたいで更に腱を介し骨に付着している。
前者を単関節筋(たんかんせつきん)といい、ヒラメ筋などがその代表例だ。
後者の方を多関節筋(たかんせつきん)といい深指屈筋(しんしくっきん)などがそれだ。
基本的に3つ以上の関節をまたいでいたら多関節筋で、2つであればニ関節筋(にかんせつきん)というからね。
ちなみに二関節筋の代表的な筋肉は上腕二頭筋だよ。
一般に多関節筋の方が細やかな動きができるからね。
これもしっかり覚えておこう。(図2参照)

image040 (図2)筋肉と関節

研修担当者
よし、次は②の『働き方の役割による分類』だ。
ある動きをする時に中心となって最も大きな力を発揮する筋肉を主動筋(主働筋と書く場合もある)というよ。
それに対し主動筋と逆方向に作用する筋肉のことを拮抗筋(きっこうきん)というからね。
また、主動筋と同じ方向の運動を起こさせるように働いているけど、主動筋に比べ、小さな力しか発揮していない筋肉は共同筋(共働筋と書く場合もある)というよ。
あと2つ、補助筋(ほじょきん)、中和筋(ちゅうわきん)も覚えておこう。
これは先の主動筋や拮抗筋ほど話題にされにくいが重要な働きを持っているからよく理解しておこう。
補助筋はある動きを行うのに適した姿勢を維持するときに使用される筋肉だよ。
例を1つあげると腕立て伏せを行うとき、主動筋として大胸筋、三角筋、上腕三頭筋などが使用されるけど、動作中、お腹が落ちて腰が反らないように腹直筋は補助筋として常に使用されているんだ。
えーっと、あとは中和筋だね。
主動筋や共同筋が発揮する力の方向は目的として動きの方向とは多少ズレがあるものなので、それを方向修正する筋肉が中和筋だよ。

研修生
あ、頭が大混乱してきました...

研修担当者
そっか、聞きなれない用語ばかりだからね...
でも、今、ずっと説明してきた事柄は今後、キネシオロジーという勉強をするときに基本中の基本となるところだから時間がかかってもいいから確実に理解しておいてくれ。
ぼくは、よく研修中に理解してくれっていうけど、暗記することも重要だからね。
聞いてわかっていても忘れてしまっては話にならないだろう?
だからときには理解できていなくても暗記して勉強をすすめていくことも大切なことだからね。
理解+暗記が勉強だと思ってくれ。

研修生
たいへんだけど、頑張ります。

研修担当者
よし、その意気だ!

研修担当者
よし、次は筋肉の収縮について話を進めていくぞ。
筋肉の活動は筋肉の変化、力の発揮状態によって次のように分類することができるんだ。まずは図を見てくれ。(図3参照)

image041 (図3)筋収縮の種類

研修担当者
等尺性収縮(とうしゃくせいしゅうしゅく)は筋肉の長さが変化しない筋活動のことだ。
例えば、胸の前で両方の手の平をぐっと押し付けあうときなんかがそうだ。
力を入れているにも関わらず、見かけ上の動きは止まってみえるだろう?
また、等尺性収縮はアイソメトリック・コントラクションと呼ばれることがある。
アイソは等しいの意味でメトリックは長さだ。
次は等張性収縮(とうちょうせいしゅうしゅく)だ。
等張性収縮は筋肉の長さが変化しながら力を発揮する筋活動のことだよ。
この等張性収縮はアイソトニック・コントラクションと呼ぶんだ。トニックは強度という意味があるからね。
更に、この収縮様式は短縮性収縮(たんしゅくせいしゅうしゅく)、伸張性収縮(しんちょうせいしゅうしゅく)に分類できる。
例えば手の平にダンベルを乗せてアームカールを行うときの収縮様式だよ。
このように筋肉が短くなりながら力を発揮するから短縮性収縮というんだ。
次に伸張性収縮は巻き上げたダンベルをゆっくり降ろしていくときの収縮様式だ。あっ、短縮性収縮はコンセントリック・コントラクション、伸張性収縮はエキセントリック・コントラクションというからね。
混乱しやすいけど覚えておいてくれ。

 

a
筋肉は大きく3つに分類でき、胃や腸を形作っている(        )、心臓を形作っている(       )、骨に繋がって骨格を動かす(         )がある。

平滑筋、心筋、骨格筋

自分の意思では自由に動かすことができない筋肉を(          )といい、自分の意思で自由に動かせる筋肉を(           )という。

不随意筋、随意筋

横紋筋の組み合わせとして正しいものを選べ。
a. 骨格筋 b. 平滑筋 c. 心筋 d. 不随意筋
①aとb
②bとc
③bとd
④aとc

④aとc

主動筋と拮抗筋の組み合わせとして正しいものを選べ。
①上腕二頭筋-上腕三頭筋
②腸腰筋-内転筋群
③下腿三頭筋-大腿四頭筋
④三角筋-前鋸筋

①上腕二頭筋-上腕三頭筋

単関節筋、二関節筋、多関節筋の中で最も細やかに動く筋肉はどれか?

多関節筋

腕立て伏せをするときは腹直筋は(         )として活躍している。

補助筋

棚の上に置いてある荷物を降ろす時に作用する筋収縮活動は何か?
①等尺性収縮
②短縮性収縮
③伸張性収縮
④等速性収縮

③伸張性収縮

ある動きの中心となる筋肉を(      )といい、それと同じ方向に作用はする筋肉を(         )、反対に作用する筋肉は(         )という。(  )内に入る語句として正しい組み合わせを選べ。
①主動筋、中和筋、拮抗筋
②主動筋、補助筋、中和筋
③主動筋、共同筋、拮抗筋
④主動筋、拮抗筋、中和筋

③主動筋、共同筋、拮抗筋

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運営者情報

当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。 フィットネスクラブ、体育施設、大学などでトレーナーとして18年間活動してましたが、約10年前にカイロプラクターとして第二の人生を歩み出しました。 そして2016年4月に第三の人生を歩み出しました。
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