血圧・脈拍について

研修担当者
『血圧 』っていうのは知っているよね?

研修生
はい、血管にかかる圧力のことですよね?

研修担当者
そのとおり、血圧は血管の中に血液が流れるときに血管壁にかかる圧力のことをいうんだ。
それでは、その血圧には2種類あるっていうのは知っているかな?

研修生
上の値とか下の値とかいうやつですよね?
研修担当者
そう、正確には最高値血圧(さいこうちけつあつ)、最低値血圧(さいていちけつあつ)というんだ。
また、最高値血圧、最低値血圧は収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)、拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)と呼ぶこともあるんだ。
また、生理学の勉強をするときに詳しくやるけど心臓は一種のポンプみたいなもので、そのポンプである心臓が収縮すると、血管に高い圧力がかかるんだ。
このことから最高値血圧のことを収縮期血圧といい、その逆に心臓が拡張して血管に圧力があまり加わっていない(最高値血圧と比べて)ことから最低値血圧のことを拡張期血圧と呼ぶんだ。
じゃあ、実際にその自動血圧計で測定してごらん。

研修生
はい

研修担当者
マンシェット帯(袋状の帯)に空気を入れることによって帯を膨らませ、一時的に血液の流れを止めるんだ。

研修生
チョット痛いですね

研修担当者
もう少しがまんしてくれ、徐々に空気が抜けはじめて楽になるから。

研修生
あっ、少し楽になりはじめました。

研修担当者
徐々に空気を抜くことによって血液が流れはじめるんだ。
その流れはじめた音を機械が自動的に読み取るんだ。
それが最高値血圧だ。

研修生
すごく楽になりました。

研修担当者
マンシェット帯の圧力が抜け、腕に流れてる血液がマンシェットにぶつからないようになると音が止まるんだ。
それが最低値血圧だ。

研修生
測定が出来ました。
最高値血圧が150mmhg(ミリエイチジー)、最低値血圧が85mmhgでした。
この数値って高いですよね?

研修担当者
高血圧判定基準表(図1)と照らし合わせると....
君の血圧は高めだね。

低血圧 100/60mmhg以下
正常血圧 101/61mmhg~140/90mmhg
軽症高血圧 141/91mmhg~160/100mmhg
 中等度高血圧 161/101mmhg~180/110mmhg
 重症高血圧  181/111mmhg以上

(図1)高血圧判定基準表

研修生
それってまずいですよね?

研修担当者
安静時の状態でこの値だったらちょっと問題ありだけど、今日はじめての研修だから緊張しているんじゃないかな?
ところで『白衣性高血圧』(はくいせいこうけつあつ)って聞いたことある?

研修生
なんですかそれ?

研修担当者
要するに、ふだんお医者さんに血圧を測ってもらうという経験がない人は、いざ測ってもらうというときに、すごく緊張してしまって、それこそ白衣を見るだけで血圧が上昇してしまうっていう現象なんだ。
これは病的なものでなく、その人の心理的なものだから本当の血圧じゃないんだ。
つまり、君の場合もはじめての場所でこういった勉強をしているわけだから、自分でも知らないうちに緊張しちゃってるんじゃないかな?

研修生
そうかもしれません。
ぼく、デリケートなんで。

研修担当者
.....(沈黙)

研修担当者
まぁ、いずれにしても1回の測定では本当に高血圧なのかどうかっていうのは判断できないから2、3回測定して判断するといい。
あっ、そうそう余談だけど医師でも看護師でもないインストラクターが血圧が高いだの低いだのいうことは好ましくないことだからね。
気をつけたほうがいいよ。

研修生
ちなみに低血圧ってどれくらいの値のことを言うんですか?

研修担当者
あっ、ごめんごめん説明するの忘れてた。
低血圧は収縮期血圧が100mmhg以下、拡張期血圧が60mmhg以下で、どちらかを満たしたとしても定義上は低血圧っていうからね。
脈拍はどうだった?

研修生
脈拍は90拍でした。

研修担当者
これも高めだね。
ふつう成人男性・女性の心拍数は約70拍ぐらいだから。

研修生
ちょっと質問していいですか?
脈拍数と心拍数って同じ意味なんですか?

研修担当者
おっ、なかなか良いところに気がついたね。
ほぼ同じ意味だと思ってもらっていいけど、正確にはちょっと違いがあるんだ。
心電図や心拍数計で測定した値を心拍数といい、腕橈骨動脈(わんとうこつどうみゃく)や頚動脈(けいどうみゃく)を触診し脈の動きを測定したものを脈拍数っていうんだ。このように意味合いは少し違うからね。
じゃ、ぼくも質問するよ。
一般に運動をたくさんやっている人は心拍数は少なく、運動をしていない人は心拍数は高いんだけどなぜだか答えられる?
研修生
運動をしている人の方が心臓の力が強いからですよね。

研修担当者
まぁ、正解は正解なんだけど、もうひとこえほしかったな。
利用者からの質問に対してそう答えたんだったら、たぶんなっとくしないと思うぞ。
じゃあ、答えを言うまえにもうひとつ質問するぞ。
人の血液は体内にどれくらいあると思う?

研修生
だいたい、自分の体重の13分の1あるって聞いたことがあります。

研修担当者
そう、大正解!つまり、体重65kgの人だと約5リットルの血液が体内にあるってことになるよね。
この血液は安静時状態では約1分間で体内を駆け巡るんだ。
これを式で表すと、
一回拍出量(ml/回)×心拍数(回/分)=毎分心拍出量(ml/分)
となる。
一回拍出量(いっかいはくしゅつりょう)っていうのは心臓が『ドキッ』と一回収縮したときに心臓から拍出される血液量のことで、毎分心拍出量(まいふんしんぱくしゅつりょう)っていうのは1分間に心臓から拍出される血液量のことをいうんだ。
心拍数についてはさっき説明したとおりだ。さっきの数値を当てはめると...
70ml強/回(一回拍出量)×70回/分(心拍数)=4900ml強/分(毎分心拍出量)
となるんだ。
4900ml強は約5リットルだよね。
これで血液が1分間に体内を駆け巡るという公式が成り立つんだ。
ここで問題になってくるのは1回拍出量は個人差があるってことだ。
なぜ個人差があるかっていうと君がさっきいったとおり、心臓の強さが影響しているからだ。
もっと詳しくいうと、定期的に運動を実施している人はそれにより心臓の筋肉、いわゆる心筋が鍛えられ1回拍出量が大きくなるからだ

研修生
それってスポーツ心臓のことですよね?

研修担当者
そのとおり!トレーニング、特に持久力的な運動で左心室(心臓の4つの部屋の1つ)が拡大した結果、拍出量が大きくなった心臓のことをスポーツ心臓っていうんだよね。
つまり、『ポンプとしての機能が高くなった心臓』ってことだから一般に運動をやっている人は一回拍出量が多い傾向があるんだ。
ここで問題を1つだすぞ。
心臓が強く、一回拍出量が100ml/回の人が毎分心拍出量を5リットルにするためには心臓は何拍打つ必要があると思う?

研修生
だいたい50拍ぐらいですよね。

研修担当者
そのとおり50拍だよね。
式にまとめると、
100ml/回(一回拍出量)×50回/分(心拍数)=5000ml/分(毎分心拍出量)
となるんだ。
つまり運動をたくさんやっている人は心拍出量が多いから心拍数(安静時の場合)が少なくすむってことになるんだ。
ちなみにミュンヘンオリンピック優勝のアメリカのマラソンランナー、フランクショーター選手は安静時心拍数が35拍くらいしかなかったそうだ。
このように運動をたくさんやっている人の心臓は心拍数が少なく、拍出量が多いという省エネタイプの優れた心臓といえるんだ。
あっ、そうそう心拍数が100拍以上を頻脈(ひんみゃく)、60拍以下のことを徐脈(じょみゃく)っていうからよく覚えておいてね。

a
重症高血圧とは収縮期血圧(最高値血圧)、拡張期血圧(最低値血圧)の値がいくつ以上のことをいうか、正しい組み合わせを選べ。
a. 161mmhg b. 181mmhg c. 101mmhg d. 111mmhg
①aとc
②aとb
③aとd
④bとd

④bとd

低血圧症とは収縮期血圧(最高値血圧)、拡張期血圧(最低値血圧)の値がいくつ以下のことをいうか、正しい組み合わせを選べ。
a. 100mmhg b. 90mmhg c. 60mmhg d. 50mmhg
①bとd
②aとc
③aとd
④bとc

②aとc

一般に頻脈とはいくつ以上のことをいうか、下記から選べ。
①110拍/分
②100拍/分
③90拍/分
④85拍/分

②100拍/分

一般に徐脈とはいくつ以下のことをいうか、下記から選べ。
①100拍/分
②70拍/分
③60拍/分
④50拍/分

③60拍/分

毎分心拍出量を表した記述として正しいものを選べ。
①1回拍出量×心拍出量
②1回拍出量×心拍数
③心拍出量×動静脈酸素較差
④1回拍出量×動静脈酸素較差

②1回拍出量×心拍数

心拍出量について正しく説明されたものを選べ。
①安静時の毎分心拍出量はおよそ80~120mlである。
②毎分心拍出量は1回拍出量と心拍数の積である。
③1回拍出量の多い人は心拍数が多い傾向にある。
④心拍出量とは心臓の大きさのことである。

②毎分心拍出量は1回拍出量と心拍数の積である。

心臓について間違って説明されているものはどれか。
①4つの部屋からなっている。
②全身に血液を供給する部屋は右心室である。
③心臓が一回の拍動で送り出す血液量を一回拍出量という。
④運動をしている人ほど一回拍出量は多い傾向にある。

②全身に血液を供給する部屋は右心室である。

次の文で正しいものを1つ選べ。
①成人の血液量は体重の約14分の1程度である。
②脈拍の測定としては腕橈骨動脈や頚動脈で測定するのが一般的である。
③成人の心拍数は平均90拍くらいである。
④心筋は鍛えられると心拍数が多くなる。

②脈拍の測定としては腕橈骨動脈や頚動脈で測定するのが一般的である。

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運営者情報

当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。 フィットネスクラブ、体育施設、大学などでトレーナーとして18年間活動してましたが、約10年前にカイロプラクターとして第二の人生を歩み出しました。 そして2016年4月に第三の人生を歩み出しました。
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